♪ アンコール曲 < 1曲目 >

グリーグ 「2つの悲しい旋律」より「過ぎし春」 Op.34 No.2

Våren (Last Spring) ~2 Elegiac Melodies   E.H.Grieg (Edvard Hagerup Grieg 1843-1907)

 A.O.ヴィニエ(Aasmund Olavsson Vinje 1818-1870)の詩にグリーグが曲をつけた歌曲「ヴィニエの詩による12の旋律 」(op.33)。
 その歌曲の中より2曲を取り出し、グリーグ自身が弦楽合奏用に編曲したものが「2つの悲しい旋律」(op.34)です。歌曲では「Våren(《ノルウェー語で》春)」とタイトルがつけられていた曲が、弦楽合奏版では海外で版を重ねるうちに「Last Spring(過ぎし春)」とされるようになりました。
 グリーグ、ヴィニエともに19世紀のスウェーデン統治下のノルウェーに生まれており、このヴィニエの詩はノルウェー語の古い方言によって書かれています。

ヴェニエの詩:「春」

また再び冬が逃げ去り春に時を譲るのを私は見る
去年花で一杯だったサクランボの木も また花で一杯だ
また再び氷が消えて 大地が姿を現すのを見る
雪が溶けて滝のような水は ほとばしり流れる
緑に萌える草はまた再び 花と共に現れ出でて
また聞こえてくる春の鳥たちの声は太陽に、夏に向かっていく
輝く光が再び春の丘で踊っているのを私は見る
蝶たちはひらひらと飛び交い花を揺らしている
私がこの春の息吹に見るのは長い間なくしていたもの
だが私は憂鬱に自分にこう問いかけるだろう「これで最後なのか?」
なるようになればいい、私はそれでも生命の息吹を感じるのだから
この春を味わいつくし そしてすべてが終わるのだ
一日中、春の香りに浸って わが目をうるおし
一日中くつろいで 春を体一杯に浴びる
春が私にもたらしてくれるのは 摘み取った一輪の花
祖先の魂が踊り、吐息をついている そんな風に思える
だから白樺ともみの木の間には 春には謎があり
私の削り出した笛の音は すすり泣くように訴えてくるのだ

 1870年、孤独と貧困のうちに死亡したヴィニエ。この詩の中でノルウェーの遅い春の到来、
春の美しさを描いていますが、彼は「自分にとって最後の春になる」ことを予想していたようです。

♪ 弦楽ヴァージョン

♪ 歌曲ヴァージョン

♪ アンコール曲 < 2曲目 >

 ホルベルク組曲(グリーグ) より 第1楽章

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